みんなの人気者・ダイゴローのブログ
文芸サークル百宴らいたぁの若きエースにして
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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 今週も堂々と日曜日の夜にこんばんは、ダイゴローです。 さてさて、かなり個人的な話にはなりますが、試験が迫って参りました。月曜日から怒涛の一週間です。 とはいえ、明後日〆切りのレポートは既に終わっているので余裕はあります。 ちなみに終わったの今日なのですが、いつも当日の朝ぐらいまでぎりぎりでやっていることから考えるといつもよりかなり余裕です。 ……駄目人間っぷりを露呈したところで今週の更新です。 ある男の物語。 ◇ 男は長時間見つめ続けていたパソコンから目を離した。 ずっと椅子に座っていた所為か、身体は凝り固まっていた。大きく伸びをすると、関節が音を立てて抗議する。 先程まで爽やかな日光が降り注いでいたはずの窓からは、傾いた夕日が差し込んでいる。 時刻は夜の六時を回っていた。 ――夕食でもつくろうか。 こういうときに一人暮らしの不便さを実感する。疲れているときも自分でご飯をつくらねばならない。コンビニエンスストアを利用するのも悪くないが、如何せん高くついてしまう。 炊飯器には白米が炊かれて入っている。カレー粉があるので、これでドライカレーでもつくれば良いだろう。 それに冷凍庫には鶏のもも肉が冷凍してあったはずである。賞味期限は少し過ぎていたような気もするが、冷凍しているので問題はないだろう。 男は台所へ移動し、冷凍庫から鶏肉を取り出した。凍って固くなってしまっていたので、解凍するために皿にのせて電子レンジに放り込んだ。 電子レンジの稼働音を漫然と聴きながら、ドライカレーをつくる。久し振りではあったが、これはなかなか上手くつくることが出来た。 そして玉ねぎを切っていると、解凍が終わったことを知らせる音がした。電子レンジを開けて取り出すと、そこにはきちんと解凍された鶏肉があった。 そのときのことである。 男は違和感を覚えた。 より正確に言うならば、奇妙な臭いがした。 何が臭いのもとかは考えるまでもない。鶏肉である。 ――古くなっていたからか。 一瞬男は逡巡したが、まあ大丈夫だろうと熱していたフライパンに玉ねぎとともに切った鶏肉を入れた。 奇妙な臭いは鶏肉を炒めている間も男の鼻腔をくすぐってきた。 人間というものはその原初から、多くの本能を捨て去ってきた。しかし、きっと残っているものもある。 ――これはその類ではないか。 男は疑念に駆られたが、ふるふると首を振った。これは煩わしさを理由に調理を厭うている所為だ。何も問題はない。 男は何かを振り払うように塩コショウを振るった。大航海時代より、匂い消しや腐敗を防ぐために広く使われてきたものである。 未だ臭いはしている。男は何度も逡巡していた。しかし、自分に食べられるために命を散らした鶏がいるのだ。捨てるなど許されたものではない。 男は更に焼肉のタレを入れた。エ○ラのブランドに頼った。これならば臭いを消してくれるのではないか。 しかし、臭いは消えなかった。それどころか、新鮮だった玉ねぎまでなんとなくべちゃべちゃとしてきたような気がする。 男はもう何度目か判らない逡巡をした。どうすれば良いのだ。自分は試験もレポートも控えている。今、もしものことなど――。 そこでもう一度、奇妙な臭いが男の鼻腔をくすぐった。 ――捨てよう。そして、コンビニに行こう。 男は自分のために命を散らした鶏に手を合わせながら、フライパンの中のものを流しの残飯入れに入れた。 そこで男はそら恐ろしくなった。 ――自分は果たして臭いを誤魔化そうとしていたのか。 ――本当は自分を誤魔化そうとしていたのではないか。 ことここに至って、男はこのことをブログに書こうと決めた。 なかなか上手いこと思いついた気がしたのである。 ◇ 長々と失礼しました。 最近食べ物の足が速くなっているので、皆様もお気を付け下さい。夏場の食中毒には注意が必要です。 それでは、また来週。 結局コンビニのご飯が増えているダイゴローでした。 PR |
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文芸サークル百宴らいたぁの若きエースにして人気者。
文芸活動だけでなく、映像作品・音楽作品に幅広く活動中。 好きなもの:黒いものと堀江由衣
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